第1757回
皆さん、どうぞいいお年を

とうとうことしも大晦日になってしまいました。
昔なら貸したお金や未回収金の回収に
借金取りが駆けまわる最後の日ですが、
昨今のようにカードが普及してお金のない者でも
先に欲しい物が手に入る時代になると、
借金が不良債権として
カード会社に山積することで年が暮れます。
それでもカード会社の株が
あれだけ高値に買われているところを見ると、
それくらいの滞納は
想定のうちということでしょうか。

同じ不良債権でもいま
日本人を一番苦しめているのは
土地が高値から10分の1近くまで値下がりをして、
土地を担保にして銀行から借金をした企業や個人が
担保不足におちいって
お金が返せなくなっていることです。
銀行が膨大な不良債権を抱え、
日本を代表する土地持ち、不動産持ちが
次々と倒産に追い込まれ、
ふつうなら何の関係もない預金者たちが
銀行に倒産されたらどうしようと
戦々兢々とした日を送っているのも一言で言えば
土地が実勢以上に値下がりしてしまったからです。

お金の使いすぎよりも、
地価の下げすぎを解決する方がずっと大切だと
バブルがはじけた時から私は言い続けてきましたが、
特に政治家の人たちは
耳を傾けてさえくれませんでした。
銀行の不良債権を片づけたかったら、
潰れかかった銀行を
アメリカ資本に売ってもらうよりも、
政策的に地価を押しあげれる方が
ずっと効果があるのです。
でもそういうことをやるより
財政赤字を増税で補うことにばかり
気をとられているのが現状ですから、
ことしも不良債権を抱えたまま
年を越すことになってしまいます。

景況感も再び下降線を辿っていると
新聞は報じていますが、
鉄鋼や石油化学などの素材産業が息を吹き返したことで
産業界はホッと一息ついています。
しかし、それは東からではなく、
日本の西にある中国から陽が射し込んできたからで、
はたして来年はどういう景況になるか、
私たちの最大の関心事です。
皆さんどうぞそういうアングルから
世の移り変わりをごらんになって下さい。


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