第1982回
自動車株のピンチは間もなく終わります

自動車産業は
中国で最も注目を浴びている
成長産業の一つですが、
投資の対象としては
最も難しい業種であります。
去年の生産台数は500万台に及びましたが、
ことしは前半だけで
280万台に達したと発表されております。
順調に推移すれば、
ことしは600万台も夢ではありませんから、
年に20%あるいはそれ以上の成長が考えられます。

ところが、自動車株はどこもさっぱりで、
駿威のような売上げの好調なメーカーでも
株価は全く冴えません。
どうしてかというと
中国人独特の商売上手が裏目に出て、
猛烈な値引き競争で
産業界全体が増収減益にあえいでいるからです。
それぞれのメーカーのうしろには
世界的な自動車メーカーが控えています。
資金面から言っても、技術レベルから言っても
兄たり難く弟たり難く、
優勝劣敗の結果はまだ出ておりません。

30年前の日本がそうでした。
今日のようにトヨタとホンダと言った答えは
まだ出ていませんでしたから、
数多くのメーカーが同じように買われていました。
いまの中国がまさにそうした様相を呈しています。
成長株と思われていたのが
逆にお互いに足を引っ張るようになって、
改めて中国商売の難しさを
痛感させられている人は多いでしょう。

しかし、もちろん、
これが永遠に続くわけではありません。
自動車業界が悪戦苦闘の地獄におちて
既に1年近くたちましたので、
業界の対応が進み、
自動車業界も漸く恢復の色を見せはじめています。
値引き競争でトクをするメーカーは
1社もありませんので、
生産台数の調整も値引きの自制も
少しずつ進んでいます。
したがって自動車株の戻りも
指呼の彼方に見えてきました。
損をした人や底値を狙っている人には
そろそろ起床のラッパが
鳴る時期がきたと言ってよいでしょう。
自動車部品やディーゼルなどの株も遅れて
下降線を辿っていますが、
下降線にストップがかかって
反騰する時期は
そんなに先のことではありません。


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