第2035回
インターネットはお金の新しい通り道

日本でうまく行っているのに、
中国人の社会でうまく行かない商売に
月賦販売と通信販売があります。
なぜ月賦販売がうまく行かないかというと、
中国で一番難しいのは集金だからです。
日本なら商品を先に渡しても、
買った人は約束に従ってお金を払ってくれます。
ところが、中国人は商品が自分の手元に渡ったら、
約束したお金でも四の五の言って払いません。
あんまりうるさく言ったら、
わざと壊わしてでも、
「じゃ持って帰ってくれ」と言います。
本音は少しでも負けさせたいということですから、
月賦販売は買手にそういうチャンスを
あたえるようなものです。

私はその昔、
月賦の丸井のコンサルタントを
やったことがあって、
この商売の旨味がわかっていたので、
台湾へ帰るようになってから
台湾で月賦販売の店はできないものかと
計画を建てたことがあります。
でも国民性の違いがあって
誰一人賛成する人がなく断念したことがあります。

もう1つの通信販売は、
これもうまく行きそうで、
思うように業績があがらない商売の1つです。
通信販売の大手になったベルーナは
海外進出の一環として
香港に支店をつくりましたが、
「業績が伸びないだけでなく、
 商品を展示する広いスペースが必要なため
 高い家賃を支払わされています。」
と社長さんからきいたことがあります。
中国人は通信販売のカタログを
見ただけでは安心できず、
必らず自分の目で見た上に、
手にとって触って見ないと
お金を払わないのです。

そういう中国人を見ているので、
私はつい日本人も
似たり寄ったりだろうと思い込んで
インターネットで物を売るのは難しいだろうと
早合点をしてしまったのです。
しかし、その後の楽天の業績を見ると、
私の勘違いだったことがわかります。
インターネットは新しいお金の通り道で、
人に先んじて道の両側に
売れそうな物を並べた人の勝ちだったのです。


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