第2045回
日本株ブームで外人投資は大きな役割

本格的な景気恢復でなくとも、
上場企業の業績が軒並み改善されれば、
株価は戻り歩調になります。
日本国内でも設備投資が低調なので、
お金はあまる方向にあり、
銀行は不良債権化するのをおそれて
お金を貸したがらないかも知れませんが、
借りる方も返せなくなることを心配して、
よほどのことがなければ
お金を借りる人は少くなっています。

そこへ輸出は黒字で、
政府の財政赤字は紙幣の濫発につながりますから、
どうしても金あまりは時代の傾向になります。
もう何年も只のような利息が続きましたので、
少々は金利があがってもよさそうなものですが、
一向に金利上昇の兆ざしが見えないのは、
設備投資に対する意欲の減退が
いまも続いているからです。

これに対して
アメリカのような大幅貿易赤字国は
金利でも引き上げて
消費の抑制をしなければなりませんが、
そうなるとアメリカからドルを稼いだ国々が
進んでお金をアメリカに持ち込もうとしますので、
ドルは下がるどころか、逆に上がります。
ドルに対する不信が世界的な傾向にならない限り、
もっとも実貨の伴わないドルは値上がりをし、
お金がアメリカに集まります。

ところが、アメリカ国内に
そんなに有望な投資対象が
あるわけではありません。
アメリカの機関投資家から見たら、
安定した日本の株式市場や
まだそこまで行っていないけれども
将来有望な中国の株式市場は
恰好の投資対象になるのです。
ですから今回の日本株の上昇についても、
アメリカをはじめ世界中の機関投資家の買いが
大きな役割をはたしています。
その資金の中には日本人が
アメリカから稼いだお金も
入っているでしょうから、
アメリカの機関投資家は日本人のお金を預かって、
日本で稼いでいることになります。
貿易で赤字になった分を
株式投資で取り戻しているのです。
はたしてこの結果が
どうなるかはなんとも言えません。
でも国をまたいだ投資については
アメリカ人の方が一枚上手なのです。


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