第2047回
日本株は買うより整理のチャンスです

日本ではバブルの後始末も
ほぼ最終段階に入ったと言ってよいと思います。
産業界の財務に
一番大きくかかわったのは銀行ですから、
銀行の不良債権が片づけば、
ほぼ終わりということになります。
たったこれだけのことに15年もかかったし、
痛手を受けた上場会社もさることながら、
銀行の名声の失墜には
量り知れないものがあります。

この15年に日本国中の企業が
贅肉おとしに必死になったおかげで、
業績はそれほど伸びなくとも、
利益のふえる会社はかなり多くなりました。
そういうところが産業界に
一抹の明るさをもたらしていると言ってよいでしょう。
でも何年ぶり、もしくは何十年ぶりに
業績の恢復した鉄鋼や石油化学などの
素材産業が恢復のきっかけになっている物を見ると、
いずれも外部要因、
とりわけ中国の需要増加による品不足と
値上がりであることがわかります。
中国でも内需に備えて増産体制がとられていますが、
設備が最新鋭なのと、コストが低いために、
国内で売るよりも輸出した方が有利で、
国内に混乱を起していますが、
どの業界にどんな変化が起るかは
はっきりした見通しが立たず、
それが中国の素材産業の株価を不透明にしています。
しかし、向う1年、2年は
素材産業の業績はかなり強気で
推移するだろうと私は見ています。

その影響が日本にも波及しているので、
素材産業は根強い動きをするでしょうが、
最終消費財のメーカーからスーパー、
コンビニなどの小売業界は一方で
新規出店はあっても
スクラップ化する店の方がふえるので、
景気の上昇をリードするだけの力はありません。
日本で産業界を牽引する
機関車の役割がはたせるものがあるとすれば、
「住居スペース倍増運動」くらいなものでしょうが、
増税の話が恐らく
それより先に話題をさらうでしょうから、
景気の上昇どころか、
増税反対運動で日本国中が
騒々しくなることが考えられます。
株を新しく買うよりも
株の整理をする時期に入ったと
私は感じています。


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