| 第2052回中国株投資は香港ドル、米ドルで考えて下さい
 外国人に買える中国株はご存知の通り上海B株、深
  B株、 それに香港で上場されているH株とレッド・チップ、
 また別な角度から見ると、
 香港に上場している銘柄で
 大陸投資に資金を集中している株に限られています。
 大陸に上場されている株にA株とB株があるのは
 10年あまり前に
 上海と深
  に証券取引所ができた際、 国にはまだ充分な外貨がなかったので、
 外国から設備や資材を調達する必要のある会社に、
 米ドルと香港ドルで
 自己資金の調達ができるようにという
 苦肉の策から出たものです。
 人民元と外貨で表示される株価は
 はじめの頃は為替レートで換算すると
 同一価格でしたが、
 外人投資家が中国企業に不信感を抱くようになってから、
 だんだん格差が生じ、
 ひどいのになるとA株とB株で
 50%から倍までのひらきがあるようになりました。
 同じ一つの企業に二つの株価がつくこと自体、
 不自然なことですから、
 外国人が中国株を、また中国人が外国株を
 自由に買えるようになったら、
 いずれ一つになる性質のものです。
 従ってそのひらきが埋まることを見込んだ投機も
 考えられますが、
 さしあたりは香港ドルか、米ドルで買って
 株価がどういう動きになるかだけを
 問題にすれば足ります。
 従って香港ドルで取引をした場合と米ドルで取引をした場合、
 人民元が切り上げになった場合、
 どういう株価の動きになるかは
 投資家にとって重大な関心事です。
 香港ドルはいまのところ
 米ドルにリンクされたペッグ制をとっているので、
 制度が変わらない限りは
 同じ動きと見てよいのですが、
 過去何回か人民元の切り上げが噂にのぼっただけで、
 中国株が大きく値上がりをしました。
 その位人民元の切り上げは
 中国株を刺戟する大きな材料になると
 多くの投資家が見ております。
 その場合に円が対米ドルでどういう動きになるかは
 また別の要因に左右されます。
 そのへんまで気を配るとなると、
 わからなくなってしまうので、
 私は香港ドルと米ドルだけで
 中国株投資を考える方がいいと思っています。
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