第2055回
持株体制は既に崩壊しました

株は一番換金性のある財産です。
バブルの最中、株も投機の対象として
値上がりをしましたが、値下がりがはじまると、
最先に売られました。
換金性があって、
すぐにでも借金の返済にあてることができたからです。
株の方が不動産に比べて
超優良な担保物件だったことがわかります。

長い間、上場会社は
株が買い占めの対象になって
経営が不安定になることをおそれて、
安定株主づくりに狂奔しました。
そのために取引銀行に株を持ってもらったり、
系列会社の株を持ったり、
取引先とお互いに株の持ち合いをやりました。
日本の場合、市場で流通している株は
全体の3割ていどというのが常識でした。
しかし、会社がおかしくなると
そんなことを言ってはおられません。
銀行は借金のカタにとった株は
遠慮会釈なく売り払うし、
株を売られた会社も、
暗黙の約束で持っていた株を売ることを
躊躇しなくなります。
とりわけ系列が崩壊すると、
親会社が平気で系列会社の株を処分するので、
系列会社が親の言うことをきかなくなります。
また取引銀行が弱体化して
融資先の株を処分するようになると、
安定株主で成り立っていた社会秩序が
危機に瀕してしまいます。
野村をはじめ日本の大証券会社が
見違えるほど弱体化したのは、
大企業の御用がなくなったのと、
企業が借金経営から堅実経営に
切りかわったことがたたっているのです。

そういった意味では
日本で生き残った上場企業は
以前よりずっと堅実経営に
変わったということができます。
しかし、それは成長するチャンスが
失われたからだと見ることもできるわけで、
株価の上昇が天井をつけたら
更に坂を駆け登ることは
難しくなるというのが私の見方です。
はたしてそうなるかどうかは
事実に証明してもらうよりほかありませんが、
高値に戻った株を換金して
思い切って成長株に切り換えることは
次にやるべきことです。
その勇気が要求されているのです。


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