第2077回
次に考えられるのは一種の自治連邦制

役所の気風が変われば、
次に変わるのは国全体の政治です。
日本人にはあまりかかわりのないことですが、
国内でお互いに相争って政治は大きく変わりません。
争えば強い方が弱い方を叩きのめして
延命を図ろうとするからです。

ところが、いまのように
中国共産党と争う相手がなくなると、
「敵のない者は滅び」ます。
自民党があまり遠くない将来に
おかしくなるのを見たら、
中国で起り得ることも大体、予想できます。
いまの中国は一見、反対勢力もなく
一党独裁が続いていますが、
経済成長によって
社会全体に質的変化が起っていますので、
人民の要求にこたえられる政治でなければ、
人民に相手にされなくなります。
このことは恐らくいまの胡錦涛体制、
温家宝内閣が痛切に感じていることではないかと
私は見ています。

このまま国民が豊かになって、
ふえた分だけ有効需要にまわって
消費を捲き起すとなると、
中央の命令一本で
地方まで統治することが難しくなります。
アメリカが残って、
ソ連が解体したのを見てもわかります。
残ったアメリカだって
そんなにうまく機能しているとは言えません。
これ以上、対外赤字がふえ、
収支がつぐなわなくなれば、
アメリカの体制そのものが
もたなくなることも考えられます。
たいへんなスピードで
国民の消費がふえ続ける中国で、
共産党だけでやって行けると考えるほど
いまの中国のトップが単細胞にできているとは
とても考えられません。

とすれば中央と地方の体制を
うまくバランスするように
政治の組織を変える必要が起ります。
きめの細かい政治をするためには
中国は地理的に広すぎるのです。
選挙をするにしても、
全国的規模でやるわけには行きません。
とすれば表看板は一枚でいいのですが、
地方がそれぞれうまく機能するシステムを工夫して
採用するよりほかありません。
呼称はどうであろうと、
民意を反映したシステムを
採用するということになれば、
小さく割ってうまく繋ぎあわせる一種の連邦制を
工夫することになるのではないでしょうか。


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