第2082回
経済が政治を左右する時代に入ります

私が夢のような話をしていると
笑う人があるかも知れません。
でも中国人の平均所得が
一人当り米ドルで1500ドルをこえるようになると、
人々の物の考え方が変わって、
それが政治や社会まで大きく変えてしまうのです。
1500ドルと言えば1万2000元、
月になおして一人当たり1000元です。
子供一人、年寄りがまだ生きているとして、
都会でもまだそこまで達していない人が
あるかも知れませんが、
人によってはとっくの昔にその水準を
突破している人もたくさんいます。

私の観察によると
年収が一人当り1500ドルをこえるようになると
思想教育と締めつけで国を成り立たせている
社会主義国家や独裁国でも、
国民は主義主張にこだわらなくなります。
政治にかかわるよりも、
人々は自分たちの物質生活を中心にして
物を考えるようになるのです。
政権を握っている人が
そうした無関心に干渉すると、
人々は海外に移民するか、
そっぽを向いてしまいます。
ですから政府の方が方針を
変えるよりほかなくなってしまうのです。

中国の場合も、都会地が先頭に立って
その水準に達しましたから、
お膝元から共産主義離れがすすんでいます。
都合が悪ければ本音を吐くのは避けますが、
政府に勤めている人でも
生活感情に大きな違いがあるわけではありませんから、
気がついたら全体が変わってしまっているのです。
共産党独裁だった筈が
いつの間にか資本家を
仲間に入れるようになったのを見ても、
世の移り変わりが人々の考え方を
自然に大きく変えてしまったのだと言うよりほかありません。

先ず国営事業で働く人の考え方が
大きく変わりました。
市場経済で私企業と熾烈な競争をしなければならない以上、
いつまでも親方日の丸というわけには行きません。
次は国営企業に融資をし続けたきた国営銀行です。
ここのところで衣裳替えをして
香港市場で株式会社として
上場の順番を待っています。
こうした分野で働いている人たちが
主義主張と無関係になれば、
産業界の考え方が逆に
主義主張の世界を支配するようになります。
中国も遂にそういうところまで来てしまったのです。


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