中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2172回
上海B株で一稼ぎなどと思わない事です

ことしに入ると、
中国株はB株もH株もレッドチップも
俄かに活氣づいてきました。
殊に長い間低迷を続けてきた
上海B株はA株と統合されるだろうという
当事者の談話もあって、
久しぶりに強氣の相場が展開されています。
もともと一つの銘柄に
二つの相場があること自体が不自然だし、
WTOに加盟して五年以内というのが一応の期限ですから、
ことしはちょうどその期限の年にあたります。

二つの株価がどちらかに鞘寄せするとすれば
株数の多い方に、ということになりますから
A株に鞘寄せすることになるでしょう。
そうなるとA株とB株の差が大きいほど有利
ということになりますが、
ボロ株ほどこの傾向がありますから、
利鞘を狙う人ほどボロ株に手を出すことになります。

しかし、両者が合併するためには
B株の株主がA株を持てるようになる必要がありますから
A株市場が外国人に開放されることが前提になります。
また人民元が自由に兌換売買されることも必要になります。
ことしの年末までに一応はそれをやる約束になっていますので、
大抵、間違いないと思いますが、
中国のことですから
実際に政府発表になるまで誰も安心してはいません。

万一、そうならなかった場合、
利幅を狙ってボロ株を買った人は
ボロ株をつかんだことになってしまいます。
ですから、合併が実現しなかった時のことも勘定に入れて
B株の中で業績もよく、
そのまま持ち続けても充分、
採算に乗る銘柄を選択する方が安全です。
すると、選択の基準が全く変わってしまい、
上海株の中でそんな株は六つしかない、
いや、十くらいはあるといった議論になってしまいます。
結局、濡れ手に粟というわけには行かなくなって
「安全で有利なB株はどの株か」という
株式投資必勝の原則に戻ってしまいます。
実はそれが正しい株の買い方と言ってよいでしょう。
思わぬ幸運に恵まれることはないとは言いませんが、
原則を踏みはずさないことが
正しいやり方だと私は思っています。


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