中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2174回
ことしは銀行と保険会社の当り年です

産業界に機関車の役割をはたす業種のない時は
景気の悪いことが多いので、
企業の業績もパッとしないし、株価も後退します。
ところが、ことしの中国経済は
これと言った目ぼしい成長業種もないのに、
成長のスピードが落ちそうもありません。
経済に勢いがついて新しく生み出された所得が
消費を支えていくからです。

こういう時はどこに一番よく陽が当るかというと、
銀行や保険会社のように
お金がドンドン集まってくるところではないかと思います。
かつての中国の銀行も大企業もほとんどが国資で、
資金ぐりの悪いところに
お金を貸しつけるように政府が命令をすることができました。
だから銀行は不良債権の温床みたいなところでした。
ところが銀行が株式会社になり、
外資も入ってくるようになると、
役人の思う通りにならなくなりました。
国営企業も民営企業と競争のできなくなった場合は
整理や統合の対象になりましたので、
不良債権は政府の資産で清算し、
そのパーセンテージも年と共に
減少する方向に向っています。

その一方で、預金は増え続け、
企業の資金需要もふえる方向にありますから、
融資した分だけ銀行は
産業界の分け前を万遍なくもらえる立場におかれています。
また豊かになると人は死ぬのを恐れるようになりますから、
生命保険も財産保険も掛け金が年々ふえる方向にあります。
銀行と違って領収書一枚で莫大なお金を集め、
それを成長する産業界に投資できるので、
保険会社の資産は大へんな勢いでふえる方向にあります。
ここのところ銀行と保険会社の株価が
着実に上昇しているのを見ても、
いま何が起っているかがわかります。

ことしは中国の銀行と保険会社が
次々と香港市場で上場するために行列をしています。
銀行にお金を預けておくよりも、
新しく上場した銀行や保険会社の株を
安いうちに無理のない範囲で買っておいた方が
ずっとふえることが期待できます。
リクツに合っているかどうか、
皆さんもよく考えて見て下さい。


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