中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2234回
地方は人材の供給源と思って下さい

地方の時代が終ったとすれば、
では地方に住んでいる人は何をすればいいのでしょうか。
もちろん、どこの地方にも現に人がたくさん住んでいるし、
将来も同じところに
そのまま住み続けることに間違いはありません。
人が住んでいる限り、
その人たちの必要とする日用品は売れ続けますから、
何とかそれでお店屋さんは食いつないでいけます。
先細りをする商売は五軒あった店が三軒になるとか、
年寄りの面倒を見る仕事などは年と共にふえますから
一軒減ったところに新しい商売が一軒できれば、
それで何とかメシは食えます。
地方は地方なりに新旧の交替は今後も起るのです。

私が言いたいのは
そういう新旧の入れ替えのことではありません。
かつて都会から資本と技術を持って地方都市へやってきて
地方に新しい富をもたらしたようなことはなくなるので、
そういう仕事をやりたい人は
地方にいたのでは何もできなくなるということです。
地方は野心を持った人の住むところではなくなったのです。

ではそうした人はどうすればいいのでしょうか。
答えは簡単です。
魚のとれないところで
いつまでも釣りをしていても仕方がないので、
魚のたくさんいるところへ移ればいいのです。
かつて成長経済がはじまった頃は、
都会で深刻な人手不足がはじまったので、
高校や中学を卒業すると
集団就職で都会へ出る人が後を絶ちませんでした。
今日、東京や大阪で成功した人の中には
集団就職で都会に出てきた人たちもたくさんいる筈です。
地方は人材の生産地で、
それを高く買ってくれる所に売りに行くのだと思えばいいのです。

そういう意味では、いまの売れ先は国内よりも
高度成長がはじまっている国々ということになります。
成熟社会から成長経済の国々に出稼ぎに行くのですから、
かつて中国の苦力たちが
旧金山(サンフランシスコ)や新金山(シドニー)に
奴隷のように我が身を前金で売って出稼ぎに行くのと
わけが違います。
すぐれた経営能力か技術力が要求されているのですから。
先ず智恵か、手に職を身につける必要があります。


←前回記事へ 2006年4月22日(土) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ