中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2260回
人材の訓練と職業教育が一番重要です

どこの省も自治区も、自分たちの業績を誇示するために、
定期的に海外に出かけて投資勧誘のパーティをひらきます。
一番頻繁にひらかれる場所は香港です。
香港には世界中のお金が集まっているし、
香港人の中にも
中国大陸に投資する意向を持っている人が少なくありません。
また中国語がそのまま通用する便利さもあるからです。
私も改革開放政策がスタートしたばかりの十数年前は、
誘われて香港で投資案件にサインしたことが何回かあります。

こうした投資勧誘プランは今日もなお続いていて、
つい最近にも寧夏回教自治区の勧誘パーティが行われました。
私にも何とか都合をつけて来てもらえないかと誘いがありましたが、
私は工業資本家でもないし、
寧夏で何かをやる計画もなかったので、
鄭重にお断わりをして、
目下、手がけている自動車修理学校を成都でやるか、
昆明でやるか、それとも合肥でやるか
決めかねているところだという話をしたところ、
「ぜひ銀川でやっていただけませんか」
と思いもかねない誘いを受けました。

「銀川でやって下さるのであれば、
自治区をあげてお手つだいを致します。
土地が必要であれば土地のお世話もしますし、
校舎が必要であれば校舎の提供もします。
現存する学校を利用するのであれば、
適当な学校をそのままお使いになって下さってもかまいません。
寧夏はよそへ働きに行きたい若い人がたくさんいますが、
特別の技術が身についていないと高い給料ももらえず、
皆、困っています。
自治省をあげて専門教育や職業訓練の必要性を
痛感しているところなんです」

思わぬ方向に話が展開してしまいましたが、
人材訓練の方が
工場の誘致よりもずっと大切なことだとどちらも気がついて、
もしかしてこれは実現可能なことではないか、
それならば具体的にすすめて見ましょうか
ということになってしまいました。
私にとって見れば、一番大切なことは
この土地に住んでいる人の区民性と義理堅さがどうか
ということになってしまったのです。


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