中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2264回
日本人が中国でビジネスに成功するチャンス

高度成長を続ける中国市場だけを対象としても
お金をつかむチャンスはたくさんあると思いますが、
日本人が見る場合は、成熟した日本の社会と
成長経済の只中にある中国の社会が
同時に目に入ってきますから、
どうしても二国にまたがったビジネス・チャンスに気がつきます。

たとえば、日本人が中国株投資をやった場合、
日本人の頭の中を駆け回るアイデアは当然のことながら、
中国のことしか知らない
中国人の発想する投資のアイデアとはかなり違います。
三十何年も前に、
かって日本人が経験した成長過程をもう一度、
復習しているようなものですから、
この次、どんなことが起るのか、
日本人ならすぐにも、予想ができます。
大きく間違わないためには、
成長過程で中国は日本とどこが違うか、
しっかり見極めることが大切ですが、
そこのところさえ充分気をつければ、
日本人の投資家は中国の投資家よりも
ずっと有利な立場におかれています。
日本人が中国株の勉強をして
思うように成績が上がらないとすれば、
かなりの劣等生とみて先ず間違いないでしょう。

中国でビジネスを展開する場合にも同じことが言えます。
中国人は工業生産では日本人に一目も二目もおく立場にいますが、
物の売り買いということになると、
日本人の遠く及ぶところではありません。
ならば中国人と競争して日本人が負けるかというと、
販売業やサービス業の分野でも意外な盲点があります。
中国人は売り込みやお金の回収ではいくら、はしっこくても
サービスとアフター・サービスでは日本人には遠く及びません。
ですから、そういう日本人の長所を発揮することができたら、
中国で商売をやっても結構、生き残って行けるのです。
私が中国でやる中華レストランにさえ
わざわざ日本人をトップにおいているのは
そうした私の物の見方が正しいかどうかを
実証してみせたいからです。
グローバル化の時代に日本人が
中国でビジネスに成功できるチャンスは大きいのです。


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