中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2348回
不動産株は心の揺れる時に買うものです

私は自分で中国で不動産投資をしたこともあります。
また不動産の株を買って
おいしい目にあったこともあります。
また他人がつくったビルや
マンションのスペースを買ったこともあります。
しかし、それで満足の行ける結果を得たかというと、
大へん勉強になりましたというよりほかないし、
またやりますかときかれたら、
ちょっと待って下さいと思わず尻込みをしてしまいます。

そうは言いながらも今後、
中国の人たちがドンドン豊かになったら、
不動産がいまよりずっと値上がりするだろうことも事実だし、
それをあてこんだ不動産ブームが続くことも
先ず間違いありません。
そうした不動産ブームと
全く無縁というのも如何にも残念なことです。

ではどうすればいいかというと、
それは中国の不動産株の動きに関心を持ち、
その最先端を行く会社の株が下がったら、
それを財産の一部として買い込んでじっと持っていることです。
中国の不動産株は大きく分けると、
現地資本によって運営されている企業と、
香港資本によって運営されている企業があります。
現地資本を代表している第一人者は何と言っても
深圳B株に上場されている万科企業です。
もともとは深圳市からはじまりましたが、
いまや全国的スケールに手を拡げ、
中国を代表する開発業者にのしあがりました。
業績がいいばかりでなく、毎年のように株配をしますので、
長期に保有していると気がつかないうちに持株数が増えます。

しかし、それでも不動産景気の影響を大きく受けて
株価が半分にも下がることが毎年のように起っています。
ですから株価が高値から半分以下に下がっている時が
買い時ということになります。
しかし、株価の下がっている時は
あれこれデマが乱れとぶ時でもありますから、
皆が恐れをなして近寄りません。
そういう時に勇気を出して買う株の一つが万科企業です。
不動産と言いますが、株価もよく動くし、株を買おうか、
買うまいか、と心の方はもっと揺れる投資の対象の一つです。


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2006年8月14日(月)

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