中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2373回
儲けたお金はどうする積りかときかれますが

年をとったとら、自分の健康を維持することにも
神経を使うようになりますが、
自分の死んだ後のことにもだんだん関心を持つようになります。
とりわけ生涯を賭けて理財に成功した人たちは、
死んで財産をあの世まで持って行くこともできないので、
自分の財産をどういう形で
社会的に意義のあることに使うべきかと考えます。
最近で言えば、
株で世界屈指の大富豪になったウォーレン・バフェットが
その莫大な資産をビル・ゲイツが運営する財団に寄付する
というのですっかり話題になりましたが、
「ハイハイQさん」の読者の中には
私も大金持ちの1人と早とちりして、
私に「自分の遺産をどうする積りですか」
と質問した人があります。
私がその日暮らしのスッテンテンでないことは私自身も認めますが、
人が想像するような大金持ちではありません。
もちろん、それでも自分の死んだあと、
どうするかについては、
私自身も家族も考えています。
それよりも自分の財産の事を心配しないで、
私の財産の事を心配するのは少しおかしいと思いませんか。
そんな心配をするひまがあったら、
将来、自分の財産をどうしたらいいか心配できるだけの
財産をつくることに精を出す方がいいのじゃないでしょうか。

そうは言っても、
人間はいつかは必らず死ぬのですから、
死亡適齢期に入ると、死ぬまでに自分は何をすべきか、
また財産はどうするのがいいか、
だんだん考えるようになります。
私の場合は、死んだあとのお金をどうするかと考えるよりも、
生きているうちにやり残した仕事はないだろうか、
あればそのために財産は使いはたしても
さしつかえないのではないかと考えるようになりました。
すると、やっぱり金づくりよりは
人づくりということに気持ちが傾きます。

但し、人づくりと言っても、
社会的に貢献するような
有能な人をつくるということではありません。
そういう人をつくるということではありません。
そういう人づくりも、もちろん、必要でしょうが、
私の場合は手に職を持てば収入がふえて
生活が楽になるチャンスを
できるだけ多くの人にあたえる教育を施すことです。
そのためにお金を使いたいとかねてから思ってきました。


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2006年9月8日(金)

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