中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2406回
製薬会社は中国の次の成長産業ですが

日本でもそうでしたが、中国でも健康食品に陽が当るよりは、
製薬会社に皆の関心が集まります。
病気になっても、医療費の払えない人は家の中にとじこもって
ジッとガマンをしているよりほかありませんでした。
でも収入がふえて多少なりと余裕があるようになったら、
病院にも通うようになるし、薬代もちゃんと払うようになります。
人間の数が多い分だけ
近頃の中国の病院はとてもよくハヤるようになっていますし、
待ち時間もうんと長くなりました。
薬がよく売れるようになるだろうことは
子供にもよくわかることです。

そう考えて、証券市場がはじまった当初から、
「中国を代表する製薬会社はどこだ」
と血眼になって探がしましたが、それらしきものが見当りません。
上場している製薬会社は30何社もありますが、
武田とかエーザイとか大正とか大塚とか言った
スケールの大きな製薬会社が1社もないのです。
僅かに同仁堂が高値を呼んでいますが、
これは漢方薬の会社ですから、西洋医学の部類には入りません。
広州薬業とか山東新華製薬とか麗珠医薬とか、
かなり早くから上場している会社もありますが、
どこも成長性に乏しく、
自動車や不動産と肩を並べるには至っておりません。

どうしてだろうと頭をかしげながら、
2、3の製薬会社を訪ねて見ると、
歴史が浅いこととも関係がありますが、
ロクな研究所ももっておらず、
会社を代表するような新薬を生むだけの実力を
持ちあわせていないのです。
したがって新しく売り出す薬にしても、
既に特許が切れてしまったけれど、なお広く使われている薬を
うまく販売ルートに乗せることに成功したところが
やっと陽の目を見るようになったというのが現状なのです。
したがって武田やエーザイにはまだまだ程遠いのですが、
私が将来を嘱望している製薬会社が2社ほどあります。
1社は蘇州に工場を持った香港の東瑞製薬、
もう1社は山東省に本拠をおく山東羅欣薬業です。
2社ともまだ駈け出しの小さな製薬会社です。


←前回記事へ

2006年10月11日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ