中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2434回
一株当りの利益がふえ続けるのが成長株

もう一つ、いま私が力を入れているのは中国の成長株投資です。
中国全体が成長経済の時代ですから、
中国や香港の証券取引所に上場されている株は皆、
成長株だと言っても決して間違いではありません。

いまをときめく銀行株にしても、
また石油や石炭や電力や製鉄のような基礎産業株にしても、
まだこれから先、成長の余地は大きく残っています。
しかし、国営企業の延長線上で株を上場した企業とか、
実質上、お役人が運営している大企業が
成長企業の仲間に数えられるかというと、
首をかしげたくなります。
業種としては成長産業に分類される企業でも、
国が株の過半数を握り、
役所と同じ効率で運営されているとなると、
スピードがおちて落伍することは目に見えています。

昨年までは、私もそうした元国営事業も一括して
景気の良さそうな企業を成長株の仲間に入れてきました。
しかし、鉄や石油やセメントでも過剰生産が目立つようになり、
生き残りのための競争が激しくなると、
国営事業の対応の悪さが目立ってきます。
成長株とは一株当りの利益が
今後もふえる方向にある株のことですから、
いくら大きな企業でも、また資金力の豊かな企業でも
その条件を充たせるとは限りません。

もちろん、国営企業出身でもそうした条件を充たせる企業が
全くないとは言いません。
私の目安では10社に2社くらい
国営出身でもすぐれた業績を上げている企業があります。
しかし、それはあくまでも例外で、
10年もしないうちに最前線から落伍する企業が大半を占めています。
成長株とは、1口で言えば、
1株当りの利益が毎年ふえ続ける株のことです。
いま大きいか、小さいかとはあまり関係がありません。
毎年、利益がふえ続ける限り、株価も上がり続けます。
1株当りの利益が株価の位置を決定します。
そういう株はどこにあるかと目を皿の様にして探がしまわると、
既に大会社になっている企業よりも
小さい会社の中に多いことがわかります。


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2006年11月8日(水)

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