中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2435回
なぜ小型成長株の番なのか、私の見方

これまでの中国の上場企業は
他の同業者を押しのけて上場をはたしているのですから、
大抵が成長株でした。
家電の株は大へんな勢いで業績も伸びていたし、
利益もうんとあがっていたのですから、
配当も多かったし、したがって株価も高値をつけていました。
電力の株にしても万年、電力不足が続いていましたから、
石炭の値上がりによって採算が悪化するまで
高株価を維持し続けていました。

しかし、家電メーカーが増設に次ぐ増設で
供給が需要を上廻わるようになると、
過当競争による値崩れで、利益は吹っとぶし、
倒産して吸収合併されたり、
証券業界から姿を消すものもあるようになりました。
トップ銘柄でも株価に昔の勢いはありません。
電力は産業界全体が依然として成長過程にあるので、
今後も当分は万年不足が続くでしょうが、
石炭や石油の異常な値上がりによって
コスト高を吸収しきれなかったために、
軒並み減益になったり、
なかには無配になった企業もあります。
ここのところ、漸く石炭の値上がりも頭打ちになり、
電力料金の値上げも若干、
認められるようになりましたので、
一息つくところまで来ていますが、
過去の勢いはもうなくなっています。

石油の需要は今後も上昇を続けるでしょうが、
鉄にしても、セメントにしても、石油化学製品にしても、
生産が需要に追いついたので、
値下がりによる採算の悪化が株価の足を引っ張る形になっています。
むろん、中国の成長経済はまだ緒についたばかりですから、
これで素材産業の息が切れるわけではありませんが、
この2、3年続いた増益の勢いがなおも続くかというと、
「峠の茶屋で一休み」
ということになるのではないでしょうか。

とすると、世界中の遊んでいる資金が
ドッと中国の証券市場に流れ込んで
株価水準がもう一段押し上げられるのでない限り、
これから先どんな企業が依然として高収益をあげるかに
投資家の視線が集中すると見て間違いないのではないでしょう。
私が次は小型成長株の番ですよと言ったのは、
そうした角度から中国の証券市場を見ているからです。


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2006年11月9日(木)

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