中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2438回
製薬株で利廻わり採算にのるのは?

同じ製薬会社でも中国の証券市場に上場している製薬会社を
武田薬品や田辺製薬やエーザイと同列において考えたら、
とんだ見当違いになります。
アメリカやスイスの製薬会社は一つの新薬を売り出すまでに
10億ドルくらいのお金をかけているそうですから、
日本だってまだそう自慢できるところまでは行っていません。

考えて見れば、
ちょっと前までは日本の製薬会社もちゃちなものでした。
大正製薬の創業者の上原正吉さんの奥さんが自社製品を
荷車に積んで売り歩いた話はいまも語り草になっています。
中国もやっとそのレベルから抜け出したところだと思えば
わかりやすいでしょう。
しかし、何せ人口の多いところだし、
13億の人が一せいに薬の買える段階に達したとなれば、
特許の切れた薬でも大へんな利益をもたらしてくれるのです。

そういうわけで、先ず上場している製薬会社を
ズラリと並べて見ました。
すぐにわかることは製薬会社の上場はまだ歴史も短かく、
業績が安定していないために無配の企業が多いことです。
途中から無配に転落した企業もあります。
そういう会社は投資の対象から先ず除きます。
次に株価が既に4ドル、5ドルに達している会社も除きます。
たとえば、広州薬業の株価は5ドルですが、
2005年度は0.07元の配当しかしていません。
麗珠製薬は4ドルですが、昨年は無配でした。
また一致薬業は5.5ドルしていますが、
配当は僅か0.038ドルで全く利廻わり採算に乗りません。

あとは株価が安値に放置されているものの中で、
きちんと配当をしているか、
あるいは売上げと収益が上昇中で、
一期か二期のうちに
増配の可能性の濃いものがあるかということになりますが、
それがちゃんとあるんです。
1ドル以下の株で、年0.065ドルの配当をしているのが東瑞製薬で、
配当はまだ2セントだけですが、
増収増益が年50%をこえる見込みのあるのが
山東羅欣だったのです。


←前回記事へ

2006年11月12日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ