中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2454回
広告会社への投資は先ず肩入れから

あと一つは広告業界をどう見るかです。
媒体と教育は人々の物の考え方に大きな影響をあたえますので、
当局の監督がきびしく、
私立学校もきびしく制限されているし、
テレビの私営は恐らくもっときびしいでしょう。
国営だと、いくら広告をもらっても
自分のふところに入りませんから、
広告担当者も利益をあげることに血眼になりませんから、
広告料も安いし、
朝から晩まで同じ広告を平気でくりかえしています。
唯一の民営テレビは香港のフェニックスですが、
フェニックスの業績が急上昇しないのは
国営テレビの安い広告料金に
右へならえを強いられているからです。

中国の広告会社が屋外広告をメインの収入にしているのは
こうした中国の社会主義市場経済独特の
発展の仕方からきています。
そうした中で1番株価の高いのは白馬戸外媒体と北青伝媒ですが、
いずれも株価が10元もしているのに、
片一方は無配で、
もう一方は儲けよりたくさんの配当をしています。

その中にあって、大賀戸外伝媒も戸外広告が主軸になっていますが、
全国の20%を占めており、
僅かながらも過去三期ずっと配当を続けてきております。
ポスター張りからはじまった会社ですから、
ポスターや包装紙や
袋の印刷工場まで持っていますが、
ポスターが広告であるという時代がすぎて
2年前に業績がガックリおちこみました。
そこから社業の見直しがはじまり、
やっと今年は前半期で昨年同期比売上げが42%増、
利益が21%増までこぎつけました。
いまのところ、ことしはこの勢いで伸びて行くでしょうが、
1年の売上げが恐らくことしはまだ4億元ていどですから、
これをどう見るかによって
投資をするかどうかの分かれ目になります。
何しろ株価がまだ50セント(1株7円50銭)
そこそこですから電通の4千円とはわけが違います。

でも創業者にも会い、経営の抱負もきいた上で、
私は大株主になることを承知しました。
大株主になるということは
この会社が電通に近づく方向へ私が肩入れをする
ということにほかなりません。


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2006年11月28日(火)

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