中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2466回
日本のお金も開国派の動きをします

いつの時代も世の中に変化が起る時は必らず
尊王攘夷派と開国派に分かれてお互いにしのぎを削り合います。
尊王攘夷派は現状を守る側ですから
変化をおそれる人々に受けがよく、
声が大きいけれども、世の中の次の変化に逆らうので、
しばらくすると姿も影も消えてなくなります。

いまで言えば、日本の企業が
海外に大移動することに反対を唱えているのが尊王攘夷派です。
とりわけ賃銀の安い中国への投資に異議を唱える声は
経済評論家の人々の間にも根強く見られます。
それに対して、お金はそうした議論におかまいなく、
お金の儲かる方向へ動きますから、
気がついて見たら、
製鉄からスーパーに至るまで日本のほとんどすべての分野で
海外投資がドンドン進んでいます。
そして、それぞれに現地で業績をあげ、
海外における配当金を利益に計上する企業もふえています。
日本は資本と技術を提供する国として、
それなりの業績をあげる国に進化しつつあるのです。

外国に投資するよりも国内に向けるべきだという議論もありますが、
土俵が拡がったのに
それを無視して昔と同じ相撲の取り方をしたら
負けるにきまっています。
日本企業が進出をとりやめても、
他国の企業が進出してその穴を埋めます。
技術で勝負すると言っても
日本の技術だけが断トツと言う保証はありません。
拡がった土俵で世界中から集まった産業界の力士たちと
互角に勝負をしなければならないのです。

幸にしてお金は開国論者ですから、
お金が人間より一歩早くお金の儲かるところに進出して
既に配当金を稼ぎはじめました。
自動車も製薬会社も、
また商社もそうした稼ぎ頭のトップを走っています。
国を代表する大きな企業のお金だけでなく、
私たちのポケットの中の小さなお金も、
お金であることに変わりはありませんから、
同じ動きをしようと身構えているところです。


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2006年12月10日(日)

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