中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2476回
自分の番にまわってきた時の準備を

年の暮れになると、
こちらも長くご無沙汰している人たちに
年賀状を出す準備をしますが、
ことしは年賀状を出す前に、
喪に服している人たちからの挨拶状を
例年になくたくさんもらうようになりました。
「一葉落ちて天下の秋を知る」と言いますが、
こちらは「喪状をもらって自分の番がまわってきたことを悟る」
とでも言ったらいいでしょうか。

遺族から挨拶状を常になくたくさんもらうということは、
自分よりもっと年下の人が
次々とこの世を去るようになったということです。
自分より年上の人が死ぬのは
物の順序みたいなもので異様な感じはしませんが、
自分より年下の人に順番がまわってきたということは、
うしろから押されているようなもので、
そろそろ自分の番だぞと警告を受けていることになります。
ここのところ、ずっとアンチ・エイジ、
つまり年をとることに逆らう文章を書いてきましたが、
これも年のせいだし、お金儲けをするよりも、
後に遺る物をどう整理するか、
周囲の者と話題にするようになったのも
年のせいに違いありません。

私は人に自慢のできるほど
大きな財産を持っているわけではありませんが、
それでも公園を一つつくるくらいの土地と、
いくつかの職業学校にまとめて奨学資金を贈るくらいの
定収入は持っています。
事業はすべて現にやってくれる人に継いでもらいますが、
うちの子供たちは自分たちの管理能力を越える資産を持っても
必らずすべてなくしてしまいますので、
生活資金以外は、世間のお役に立つように、
これから2、3年がかりで具体的に実行に移す積りです。
但し、世間のお役に立てるといっても、
自分の好みもありますので、
結構、忙しい晩年になるのじゃないかと思っています。

「もしもしQさん」の連載も
今回で単行本1冊分の分量に達しました。
明日もこの続きを書くことに変わりはありませんが、
老いのくりごとにならないように努める積りなので、
どうぞよろしく。


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2006年12月20日(水)

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