中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2478
外国銀行が日本人の預金を運用します

会社の乗っ取りや株の買占めは昔もありましたが、
ライブドアや村上ファンドのような大っぴらな動きは
つい最近のことです。
昔も乗っ取りのような強引な買占めは
あまりよく思われませんでしたが、
派手にやった二つのグループとも
司直に裁かれるようになったところを見ると、
お金に物を言わせた動きは乗っ取りと見られ、
日本人の道徳基準とうまく噛み合わないようです。

でも法律的な橋頭堡をうまくくぐり抜けて
時代遅れの経営者たちに一喝をくらわせられたら、
経営の合理化がすすみ、業績があがることには
既に数々の実績がありますから
M&Aは仕事のなくなった日本産業界の
新しい流行になることは動かないところでしょう。
上場会社の中にも最初は
アメリカの投資銀行や投資信託から仕掛けられたとしても、
現実に利益を生む可能性のあることがわかれば、
日本企業同志の間で、
たとえば、王子製紙と北越製紙とか、日清食品と明星食品とか、
敵対的買収もあれば、合意の上の買収もありますが、
やがてさまざまの形での離合聚散あるようになります。
もしかしたら、
日本の方がアメリカより盛んになる可能性もあります。
どうしてかというと、
日本人はアメリカ人に比べても中国人に比べても
自分たちの資産の運用にそれほど熱心ではないからです。

よく働くということでは、
多分日本人の方は、アメリカ人より熱心だと思いますが、
自分たちが汗水垂らして稼いだお金は
そのまま銀行に持って行って遊ばせています。
金利が高かった時はそれでもよかったのですが、
タダのような低金利になってからも同じことが続いています。
不良債権で銀行も身動きができなくなったせいもありますが、
そのスキマをくぐってアメリカなどの外銀が進出してくると、
日本の庶民が予想外に多くの貯金を持ちながら、
資産運用に無知なことがわかりました。
ならば日本人のお金を自分たちが運用することが
必ずしも困難でないことに気づいたのです。
外銀だけでなく、
外銀でコンサルタントやアナリストをしてきた日本人も
気づいているところです。
ですからいまに日本の金融業界に大きな変化が起るぞ
と私は高見の見物をしているところです。


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2006年12月22日(金)

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