中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2479回
日本人の海外投資も外国人の手で

株価は上場企業の業績や収益や配当などを反映するものですが、
会社によってはその実力がフルに発揮されていないところもあれば、
そういうことに経営者が無知か、
無関心なために不当に安値に放置されているものもあります。
株集めの対象になるのは大抵、そういう会社です。

村上ファンドが
一般投資家からお金を集めて株集めに熱狂した対象は、
大抵がそういう会社です。
計上利益が多いのにケチケチして少ししか配当しない会社とか、
含み資産が多いのに、
株価が異常に安い会社は
そういう機関投資家にとってはいい鴨です。
村上ファンドの場合は
大株主になって人事権が握れるようになっても、
自分たちで経営する意図がありませんから問題になりませんが、
アメリカの投資銀行は場合によっては
経営を目的とした買占めもあれば、
プロの経営者をやとって会社の建て直しをやって、
利益があげるようになってから、
株の再上場を企てるケースもあります。

要は株価をあげて利益を生み出すことですから、
株価をあげる余地があれば、
儲けのチャンスはいくらでもあります。
会社の実力がフルに発揮されない何らかの理由があれば、
それを改善すればいいし、
経営者の入れ替えから効率の悪いセクションの売却も含めて、
とにかく利益をふやすことができれば
投資の対象になるというのが投資銀行の世界です。
こうした可能性はアメリカやヨーロッパのような
既に開発が飽和点に達した社会だけでなく、
日本はおろか、中国大陸や香港や
台湾や韓国などにも通ずることですから、
日本で株集めの資金を集めることができれば、
そのお金を使って日本でM&Aを含めて
投信を運用することもできます。
もちろん、更にそれを世界的規模に拡げることもできます。
ですから自分たちは
海外投資なんかやっていないと思ってはいけません。
自分たちが気づかない間に
自分たちのお金が持ち出されて
海外投資に使われているかも知れないのです。


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2006年12月23日(土)

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