中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2480回
中国株ブームにもしかしてあなたのお金が

昨年から今年にかけて日本の株が上昇気運に乗りはじめた時、
世界のお金がワンクッションおいて
香港から日本に入ってくる可能性があると、この欄に書いたら、
「Qさんは物を知らない、
ロンドンから入ってくるというのなら理解できるけど」
と私にいちゃもんをつけた人がありました。
前世紀ならそれでいいでしょうが、
いまはお金はどんな紙幣にも変わって
自由自在に国から国へととびまわります。
その場合、
為替の手数料も安いのと高いのとでは大きなひらきがあるし、
儲けたお金が送り出された時、税金がかかるかどうかも、
お金を国際的に動かす人にとっては重要なことです。
いまはアジアで言えば、
香港とシンガポールが最も有利な立場におかれています。
香港は香港を起点にして海外投資をして得た利益に
一切税金をかけません。
香港においてある財産についても相続税をかけません。
従ってアメリカやヨーロッパから
日本や中国に投ぜられる資金についても、
一旦、香港を中継地にすることが考えられるようになったのです。

現に日本の株を買って稼いだお金を日本から送り出す場合、
円をドルに換えてから送り出すとは限りません。
投資銀行が自社内で振り替えることも当然あり得るし、
テレックス一本ですむことですから、
世界どこでも有利なところへ円のまま運び出すこともあります。
そういう意味では、東京は香港よりずっと遅れたところです。
これからは外国銀行が日本の株式市場をいじる番ですが、
駄目と思えばすぐにもお金を引き揚げるし、
むしろ日本の資金を外国銀行が
より多く扱うことになることも考えられます。
皆さんが直接、外国銀行と取引することは
少いかも知れませんが、
皆さんの取引銀行が外銀に融資をしたり、
外銀の発行している証券や信託を買うことによって
間接的につながりを持つことが考えられます。
いま香港や上海では海外から資金が大量に流れ込んで
新高値をつけていますが、
もしかしたらその中に
あなたのお金がまぎれこんでいるかも知れないのです。


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2006年12月24日(日)

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