中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2484回
「投資銀行」という本をご一読下さい

昨今は投資銀行だとか、外資系コンサルタントとか、
あるいはファンド・マネージャーとか、
新型金融ビジネスにかかわる本が
書店に山積みにされております。
それに負けないくらい
新型ファンドの広告も広告欄を賑わしております。

何しろ日本では汗水垂らして貯めたお金を
銀行に持って行ってそのまま遊ばせている人がたくさんいます。
その分、少子高齢化と共に明日の心配をする人もふえています。
私のところでも次々と誕生する新型投信についての問い合わせが
それに負けずふえています。
私は自分の投資能力にも不信感を持っているくらいですから、
大事なお金の運用を他人任せにする気がありません。
したがってどんなうまい話を持ち込まれても
機関投資家任せにすることは先ずありません。

しかし新型投信ができたり、投資銀行が出現して、
お金の流れに新しい変化が起ると、
自分なりに好奇の目を光らせます。
ですから
ニュー・フィナンシャル・ビジネスに関する本が目につくと
抱えきれないくらい買って帰って何日もかかって勉強します。
その中で、最近、私が読んで、
「これはわかりやすい」と思って
皆さんに推薦したいのは岩崎日出俊さんの書いた
「投資銀行(日本に大変化が起こる)」
というPHP研究所から出版された本です。

岩崎さんはモルガン証券、メリルリンチ証券で
M&Aの第一線に立たされ、
独立する前はリーマン・ブラザーズ証券で
マネージング・ダイレクターを勤めていますから、
アメリカの投資銀行がどんなやり方をしているか熟知しています。
投資銀行には投資銀行部と株式調査部があって
顧客の情報を交換し合わないし、
相互にレポートの内容に
影響をあたえることもないと書いてあるところで、
思わずハタと膝を打ちました。
企業買収と投資は別な商売なのに
1つの会社でやっているのです。
それがまたアメリカの面白いところでもあります。
ご一読をおすすめします。


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2006年12月28日(木)

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