中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2489回
企業進出は双方にとってメリットあり

一昨日の続きになりますが、
国境をこえて二国にまたがって仕事をやるということは、
一方的に日本が資金と技術を持って中国に乗りこんで、
中国のお金をごっそり稼いで
日本に持ち帰るということではございません。
中国にも
「日本人は俺たちのところへ乗りこんできて、
俺たちのお金を稼いで持って帰るんだ」
と偏狭な物の言い方をする人がいますが、
「君たち、お金もないのに、
どうやって君たちのお金を持って帰るんだ」
と私は反論します。
「お互いに自分たちの持っているものを出しあって、
無いところから新しい価値をつくり出して
お互いに分けあっているんですよ。
だってもともと何もなかったのだから」
「でも向うの方が取り分が多い」
と私に言いかえす人もいます。
それに対して
「先ずいままで仕事もなかったんだから、
働くところがあるようになっただけでもマシじゃないか。
向うの取り分が多いと言ったって、
相手が外国人でなくて自分たちの国の人だって同じだよ。
それに儲かった人はもっと儲けようと思って、
お金を持って国に帰るどころか、
儲けたお金で会社をもっと大きくしようとするんだから、
土地の人が損になることなんて先ずないなあ」

私が説明すると、
現実にお金の儲かっている企業はドンドン増資していますし、
自分たちのもらうサラリーだって
入社した時の倍以上になっていますから、
渋々ながら口をとじてしまいます。

もう一方の現地勤務を命ぜられた日本人の方も
身分以上の立派な宿舎に住み、お手伝いさんもおれば、
運転手もいる生活をするようになりますから、
本社に帰って毎日、満員電車に揺られることを考えたら、
本社に呼び戻されない方がいいと考えるようになります。
とりわけ奥さんの方は「ここの方がいいわね」と
さしさわりのない人には本音を吐くようになります。
子供の教育と病気をした時には困るけれど、
現地に住むことのメリットを
転勤を命ぜられると
改めて現地勤務の有難さを認識するようになるのです。


←前回記事へ

2007年1月2日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ