中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2512回
昨年は生命保険株と銀行株の年でした

昨年の正月の邱友会で、私は
「ことしも中国の経済は高度成長を続けるでしょうが、
成長の機関車の役割をはたす業種が見当りません。
こういう時は各企業に万遍なくお金を貸している
銀行や保険会社が産業界の儲けの分け前にあずかりますから、
銀行株と保険株に注目して下さい」
とアドバイスしました。

そうしたら聴いていた人の中から手をあげて、
「生命保険の株を買うのはわかりましたが、
いつが売り時ですか」
と質問する人がありました。
私は株を買う時、いつ売るか考えたことはありませんが、
買う前からも売ることを考える人があるんですね。
いつどうなるかもわからないのに、
そういう発想をするのなら、
死ぬことを前提として
金儲けもやる必要がないのではないでしょうか。
人生にはわからないことが多いから、
生きる楽しみもあるのではないでしょうか。
そう言いたくなるのをジッとこらえて、
「生命保険の株を買うのは
生命保険に入るのと似たようなものです。
生命保険に入る時に
途中解約を頭に浮べて入る人がいますか」
と私は反論しました。
「でも生命保険に入るのと
生命保険の株を買うのと違うところもあります。
途中解約をすると死んだらお金がもらえなくなりますが、
株はどう考えても、上がりすぎと思ったら、一ぺん売って、
安くなった時にもう一度、買い戻すことができます。
何しろ紙一枚で集めたお金で
成長する産業界の株や上昇気運に乗った不動産に
投資をする商売ですから、
成長経済が続く限り一番陽の当る商売です。」

あれから株価は5倍にもなりましたが、
私が実際に処分したのは、
元金に相当する部分だけでした。
銀行株の値上がりは中国人寿ほどではありませんが、
同じ原則に従って元金だけ回収しましたので、
どちらもタダの株だけが手元に残っています。
あとはどうする積りですかときかれても、
タダですから紙屑と思って忘れることにしています。
もっと面白いことが起って
それに使いたい気持を起せば別でしょうが。


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2007年1月25日(木)

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