中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2513回
生命保険と財産保険の違いが読めなかった私

保険株と銀行株の上昇は予想通りに起ったので、
香港の「文匯報」という新聞は一頁を使って
「金儲けの神様」の予言通りのことが起った
と大げさな報道をしましたが、
目先の予想よりも、
私が「中国株は今後さらに成長して10倍になる」
と言ったことを鳴り物入りで宣伝したかったからでしょう。
私は「人民元は1ドル4元になります」とも予言していますが、
どちらも期限を切って言っているわけではありません。

かつて私は「円は1ドル100円になる」と予言して
多くのプロたちの失笑を買いましたが、
現実にそうなるまでに9年かかりました。
人民元にしても、中国株の指数にしても、
いつそこまで達するかははっきりと断定できませんが、
いま起こっている流れに大きな変化が起らない限り、
必ずそこまで到達すると考えるよりほかないのです。

だからと言って
予想通りに株式投資がうまく行くわけではありません。
私が保険株と言った時、
私は生命保険と財産保険も一緒くたにして考えていました。
だから買う時も両方とも買いました。
ところが、その後の動きを見比べているうちに、
その違いにすぐに気がつきました。
中国人は生命を大事にするので、
保険金欲しさに死ぬ人などいません。
途中解約もやりません。
ところが、自動車の保険は
財産保険の会社が代わりに払ってくれるとわかったら、
平気でしかも大々的にぶっつけてしまうのです。
保険金の払い方が
生命保険と損害保険とではまるで違うのです。

そのことに気づいたので、生命保険の株を残し、
財産保険の株は損をしないところで処分してしまいました。
年末が近づいて海外から香港に大量に資金が入り、
H株やレッド・チップの大型株に火がつき、
財産保険株まで押し上げた時は
もう私と何の関係もありませんでした。
読み違いは目の前でいつも起っているし、
恐らく今後も同じ間違いを起すことは避けられない
と苦笑しています。


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2007年1月26日(金)

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