中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2514回
日本を去った資金がはたしていつ香港へ

銀行株が値上がりするだろうことについては、
昨年の年はじめに発言した通りですが、
年間を通じて大陸銀行株の香港における上場が相継ぎ、
しかもスケールの大きな資金調達のくりかえしなので、
いくら世界中からお金が集まると言っても、
銀行の業績が上がらなかったら息切れする時が来るだろうと、
年の半ばをすぎた頃から考えるようになりました。

ちょうどその頃、しきりに次の相場をリードする
業種や銘柄のことを考えるようになったので、
値上がりした分は残して、元金を回収する挙に出ました。
次に乗りかえた成長銘柄は
いずれもそれなりの値上がりをしていますから
損に見舞われたわけではありませんが、
年末にかけての金融株の大暴騰に
100%乗ることはできませんでした。

私は1昨年の日本株の上昇を予想し、
これを「デフレよ、さよなら」と受けとらず、
「日本株の絶好の売り時」と考えて、
「日本株から中国株への乗り換え時ですよ」
ともしもしQさんの読者の方にも訴え、
自分もその通り実行に移しました。
どうして私が日本株の上昇を予想したかというと、
バブル後の贅肉おとしが進んだところに、
中国経済の急成長によって不足する資材の需要が
日本に流れ込み、
低迷していた日本経済に活性化の動きが出てきたからです。
どんな原因であるにせよ、
株価の上昇する環境が生まれれば、
世界をうろうろしている遊資が
そのチャンスを見逃すわけがありません。

はたして日本株は外人買いに端を発して
16、7年ぶりの活況を呈しました。
しかし、もともとバクチの資金ですから、
日本株を押し上げてある程度の成果があがったら、
いずれ潮が引くように日本から引いて去るお金です。
そのお金が次にドッと流れ込むのは香港ではないか
と思っていましたが、それがいつになるのか、
実際に起って見るまでは
私にも何とも判定がつかなかったのです。


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2007年1月27日(土)

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