中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2553回
中国でブランドの確立が必要な時代に

世界最大の消費市場に割り込んで新しい商売をやるとすれば、
先ず中国人の購買心理を研究する必要があります。
第一は中国人は知らない人を信用しないということです。
ですから知らない人から買う時は
先ず自分の手でとって自分の目で確かめます。
それでも騙されることがありますから、
信用のある店で選びたがります。

日本ではしっかりしたブランドの商品がありますから、
スーパーやコンビニに行っても
有名メーカーの製品を選びます。
有名ブランドはスーパーに対して
そんなに値引きをしませんから、
スーパーは叩いて仕入れることはできません。
したがって利益もそんなには上がりません。

日本に進出している欧米の大型スーパーは
トマト・ケチャップでも、化学調味料や缶詰でも
内容が同じなら安く叩いて安く仕入れて、
日本のスーパーよりは安い値段で売ろうとします。
欧米ではそれで通じますが、
日本では自分たちがよく知っているブランドでないと
お客が避けて通ってしまいますので、
世界的に有名なスーパーでも
思い通りに利益をあげることができず、
店じまいに追い込まれてしまうのです。
中国ではカルフールでもウォルマートでも
かなりお客を集めていますが、
それは食品でも日用品でも、
まだメーカーのブランドが確立しておらず、
スーパーが売っている商品の
ブランドの代役をやっているからです。
安値に魅かれるのが中国人であり、
その点をうまくカバーできれば、
欧米から進出したスーパーが中国に根づく可能性は
大きいと言えます。

でも、消費市場の発展と共に
ブランド嗜好も急速に強くなっていますから、
資本の内外を問わずどこのメーカーも
ブランドの確立に力を入れるようになりましたから、
スーパーで売っているようなものでも、
そのうちに有名ブランドが選ばれる時期が必らずきます。
中国で商売をしようとすれば、安値で売るよりも、
ブランドで勝負する必要があるようになります。


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2007年3月7日(水)

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