中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2591回
成長株のレベルにも理解と覚悟が必要

小型成長株はもともと発行株数が少いので、
ちょっと力を入れて買うと、
たちまち株価もはねあがります。
私なども、その積りでなくとも、気がついて見たら、
結構、オーナーたちに次ぐ大株主になってしまった
ということが何回かあります。
でも倍になったから叩き売って
次の株に乗り換えようなどと考えたことは先ずありません。
もっと先のことを頭に入れて買っているので、
レースを途中で下りることなど
頭の片隅のどこにもないのです。

ところが、株をゲームと考えている人とか、
元々、株の原理に全く無頓着で、
「1カイ2セリ」で株をやっている人にとっては、
小型株は株価がよく動きますから、
またとないオトナのおもちゃです。
1つか、2つのおもちゃで味を占めると、
もうやめられなくなって、
ちゃんとまともな決算をやっていないボロ株でも、
お手玉みたいにいじくりまわすのです。

これに対して、私は
少くとも過去2回はちゃんとした配当をしていて、
業績も年々上昇している企業の中から選んで下さい
と言っていますが、
何しろ中国経済が新しい成長株を生みはじめてから
まだ2、3年しかたっていませんので、
3年前は無配だったというのがほとんどなのです。
したがって、4年目ならもっとよくなるだろう
と期待していると、そこでまた足踏みになったり、
逆戻りすることもあります。
現に私が目をつけた銘柄の中で、
お金がちゃんと儲かっているのに、突然、無配になったり、
株主に対するコミュニケーションが
全くできていない会社もあります。
自分らの金ぐりとか資金需要のことだけ考えて、
無配にしたら株価にどんな影響をあたえるか、
全く無神経な経営者も結構あります。
心配になって、どうしてそんなやり方をするのですか
と問い合わせると、
向こうの方がケゲンな顔をするのですから、
悪意より無知から来るぎこちなさと考えるよりありません。
中国の上場株のレベルは
まだそういう程度なのだという理解がないと、
こちらがつきあいきれないことも起るのです。


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2007年4月14日(土)

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