中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2592回
成長株買いは子育てによく似ています

自分の思う通りに子育てのできた人があったら、
手を挙げて下さい。
ほら、ごらんの通りでしょう。
昔から言われているように「親の心、子知らず」です。
ですから、あまり強烈な期待をかけないことです。
期待をしなければ、裏切られることもありません。
そうは言っても、子供に全く期待しない親もいません。
割に合わないと思いながらも、
つい欲目が出るのが子育てなのです。

成長株買いには子育てに似たところがあります。
子育てと成長株買いに違いがあるとすれば、
子育てはバカな自分が生んだ子供であるのに対して、
成長株は他人の生んだ子供だということです。
思うように育ってくれないと文句を言っても、
自分が選んで面倒を見るようになったのですから、
相手のせいにするわけには行かないのです。

もっと悪いことに、
向うはこちらを親と思っていないことです。
すくすくと育ってくれる成長株など先ず皆無だし、
こちらの言うことなどきいてくれませんから、
ずっとつきあうためには忍耐と我慢が必要です。
先進国においてさえそうなのですから、
まだ発展途上にある西も東もわからない国の
成長株の経営者に至っては、
わかってもらうまでが並大抵のことではありません。
私の場合は、いまから44、5年前に、
成長する日本経済のさなかで
そうした成長株とつきあってきましたので、
いくらか我慢ができます。
でもいざとなると本当に手間のかかる精薄児だな
とつい地団駄を踏んでしまいます。

ですから、私の成長株買いに
おつきあいしていただくのは歓迎ですが、
かなりの覚悟と途中でつべこべ言わないことが肝心です。
特にこれから資産インフレがはじまりますから、
乗り遅れることもあり得ます。
そういう時に目移りして「しまった」と思うくらいなら、
いまが成長株とバイバイをするよいタイミングです。
でもどちらが先に「向うの山の麓」まで辿りつくかは
実際に駆け比べをしてみないとわかりませんね。


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2007年4月15日(日)

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