中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2640回
外人向けのベトナム証券会社が必要ですね

ベトナムの証券界は中国に比べて10年ほど遅れています。
10年前、中国の証券業界がはじまったばかりの時と思えば、
当らず雖も遠からずでしょう。

ならば、10年前に中国でやりそこなった株式投資をもう一度、
やれる絶好のチャンスじゃないかと思うかも知れません。
確かにそういう面があります。
いまのベトナムは新しく上場する会社も
ほとんどが国営事業です。
国営ではやって行けないので、
半民営化して市場経済化の波に乗せようとする
大きな動きがあります。
はたしてそれがうまく行くかどうかは何とも言えませんが、
うまく行かなくとも潰れる心配はあまりありません。
銀行でも、電力会社でも、
あるいは港湾道路事業や石油を掘る仕事や食品会社でも、
社会的な基礎産業ですから、需要には問題がないし、
お金の回収にも困難がありません。
それでいて社会的な追い風に恵まれていますから、
ここ10年の中国証券界における
一流企業の株価の動きに似ています。
そういう意味では中国株で何らかの成果をあげている人にとっては
「夢よ、もう一度」ということになります。

しかし、ブームの掛け声に比べて、
産業の発展がかなり遅れている面もあります。
台湾企業で上場しているのが5社ありますが、
いずれも台湾ではやって行けなくなった
労働集約的な企業に属しますから、
成長株の先端を行くものではありません。
その他の海外からの進出企業も
やっとこれからはじまるところですから、
国の基幹産業中心の選択をすることになります。
したがって選択にあまり迷いは生じませんが、
成長のスピードがはたして中国に負けないかどうかは、
まだ未知数だということです。
そういう環境の中で外人向けの証券会社をつくると言っても、
51%は現地資本を要求されますから、
合弁企業になってしまいますが、
日本の証券会社に運営してもらえば、
日本人の投資家にとっても納得が行くのではないでしょうか。
いまはまだ毎日、雨に見舞われていますが、
雨期がすぎたら、考察団の皆さんと一緒にもう一度、
ベトナム証券の勉強に行く計画を立てています。


←前回記事へ

2007年6月2日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ