中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2663回
銀行株が上がらないのをみたらわかります

中国株ブームがそのまま香港株に伝染するものなら、
香港株を持ってジッと待っておればいいじゃないか
ということになります。
基本的に、それでいいと私は思っています。
中国に資産インフレが起れば、中国株に大きな変動が起りますが、
やがてその影響は香港のレッド・チップ株やH株にも起ります。
たとえば、
中国の大衆のお金がドッと香港に流れ込めば、
大衆のお金は大型株、
一流株を目指しますから、
大型株、一流株に陽が当るんじゃないかと誰でも思います。
それなら銀行株や保険株だととっさに連想するのは
私も例外ではありません。

しかし、よく考えて見ると、
お金の流れだけが株価を買えるわけではありません。
大きなお金であっても、
お金は将来性のある株とそうでない株を区別して、
必らず将来性のある株を選びます。
ですから、
いくら銀行にお金が集まるからと言って、
お金の儲からない銀行の株は選びません。
同じように銀行の株と他の業種の株を見比べて見て、
どちらがお金が儲かるかわかったら、
お金の儲かる方の株を選びます。
ですから、
お金の流れが一時変わったから、
買われる株も変わるだろうというのは必らずしも正しいとは言えず、
株を動かす原理はしばらくするとまた元に戻って、
「次の時代に増収増益になる株は何か」
に返りつくのです。

したがってお金の流れが変わることによって起る変化が
一時的なものにすぎなかったとしたら、
持ち株を大きく変える必要はありません。
現にいま見ても儲かる商売と
そうでない商売が大きく入れかわる抜本的な変化は見られません。
お金がいま以上にたくさん銀行に集まっても
銀行の計上益がふえなければ、
銀行は配当をふやすことができないし、
仮りに銀行株が買われたとしても、
銀行株の利廻りが悪化するだけのことです。
銀行株がどちらかというと足踏み状態にあるのを見ても、
投資の方針を変える必要のないことがわかります。


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2007年6月25日(月)

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