中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2664回
高値になってもガマンするのがガマン料

上海B株が猛烈な勢いでアップ、ダウンを続けています。
大幅に値上がりして思わずこちらが目をパチクリしても、
次の瞬間にはもう遥か下に墜ちています。
「あの時、売っておけばよかったなあ」と思う人もいますが、
「もっと上がるかも知れんからガマンガマン」
と思う人もあります。
どちらもかなり利が乗っているのですから、
満足してよさそうなものですが、
どちらも欲と不安の挟み討ちになって
心が鎮まらない立場におかれています。

「私ならどうするか」ときかれたら、
私なら元金分だけ売って、
あとタダになった分は蔵の中にしまい込んで
忘れることにします。
どうして元金分だけ売るかというと、
元金がないと次の投資ができないからです。
ではどうして儲かった分をそのまま残しておくかというと、
大抵の上がる株は上がりはじめると勢いがついて
もっと上がることが多く、
いつも「売ってしまったな」と
売ったあとで地団駄踏むことが多いからです。

では「下がったらどうするか」というと、
どうせ只の株ですから、
いくら下がっても元値を割ることはありません。
そのままパアになってしまうことも、
もちろん、ないことはありませんが、
「上がる株ほどよく上がる」のが株の一般的傾向ですから、
上がる株は残して、
上がらない株は損切りをして売るのが正しいのです。
それを逆にして、上がる株は売ってしまって、
上がらない株は上がるまでジッとガマンして持っていると、
上がらないボロ株を一手に引き受けることになってしまいます。

特にいまの中国株のように、
資産インフレのさなかにおかれていると、
上げ下げの波が大きいだけで
基本的に値上がりする方向にありますから、
値下がりをガマンするよりも
値上がりをこらえる方が大へんなのです。
高値を見た上で、底値に遭遇すれば、
ガマンしろと言われてもガマンしますから、
高値になってもガマンして売らないことが大切です。
これも「株の儲けはガマン料」の重要な場面の一つです。


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2007年6月26日(火)

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