中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2669回
中国の観光地の名物づくりやりませんか

中国の観光地に行くと、
一番たくさん並んでいるのはハンコ屋さんですが、
次はその土地の特産と思われている民芸品です。
民芸品と言っても、他の地域の民芸品ときわだった違いはなく、
大抵は観光客に素通りされてしまいます。
たまにお客が立ちどまって現物を手にとって見ても、
売買が成立するまでに
かなりの掛け引きと無駄な時間が必要ですから、
わずらわしいだけで、おかしくも嬉しくもありません。

1ヶ月のうちに何回もそういう目にあいますが、
その度に、観光地の商売を一新させる方法はないものかと
考えさせられます。
先ず隣りと同じ物を売る店が並んでいるのに
それと同じ物を並べるわけには行きません。
たとえば漆器ばかり並んでいる町に行くと、
たまにちゃんとしたデザインを施した
レベルの高い漆器が並んでいますが、
値段をきくと5倍も10倍もします。
2つ見比べると、最終的には昔からあるもので
使用に耐えられるものはないかということになってしまいます。
ですから新しくデザインしたものは産地ではなくて
消費地で市場を開拓しなければならないことがわかります。
私なら上海か、香港か、東京に店をつくっても、
原産地に店は構えません。
結局、いま観光地の店先で売っている物をいくら改良しても
土産品として将来性のある物はないと言うことになります。

それに比べると、旅先で欲しくなるのは
何と言っても食べ物と飲み物です。
いまやどんな田舎に行っても
ミネラル・ウォーター(中国語では鉱泉水)と
ジュースは売っています。
ところが、おやつに属する
ちょっと口に入れたくなるような食べ物は意外とありません。
「名物にうまい物なし」と言いますが、
これこそ中国の地方のためにつくられた言葉ではないかと思います。
中国のそれぞれの地方に
その土地の名物をつくりあげるアイデアマン、
どこかにいませんか。
いたら手をあげて下さい。
私もアイデアを出しますが実現できるまで応援します。


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2007年7月1日(日)

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