中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2695回
「動く看板」が次の新商品です

テレビが広告業者にとってあまり魅力のない媒体だとしても、
そのうしろにインターネットが控えています。
中国でもヤフーやグーグルに続く新興の媒体が
急速にその利用者を伸ばしております。
そうした新興業者と既存の広告業者がどういう関係になるかは
私にも気になるところです。

ですから私は戸外広告業者である大賀伝媒に
携帯電話広告のシステムを立ち上げることをすすめました。
日本でもやっとこれからはじめるところですから、
いまからはじめればそう遅れをとらずにすむでしょう。
そう考えて日本の携帯電話広告の先輩業者に一口かんでもらい、
電通で働いていたパイオニア精神のある若者に
責任者になってもらったのです。
これが形になるためには少くとも2年は必要だと見ていますが、
同じく携帯電話広告屋をやるにしても
既にスポンサーをもっている広告大手と
学生あがりのまだ嘴の黄色いエンジニアでは
当然、違いがあるだろうと考えたのです。
但し、私の提案が株価に影響するようになるまでには、
少くとも2年はかかると見ています。

大賀伝媒には戸外広告のほかに、
もう一つ戦力になる材料があります。
それは「動く看板」です。
道や繁華街に据えつけられた看板は
書き替えない限り同じものが立っていますが、
「動く看板」は掲示されている内容が
リモート・コントロールできるようになっていて、
団地の入口あたりに取りつけるようになっています。
1年の広告料が3万元で、
1年目は製作費に1万2千元、
年間管理費が8千元かかりますから、
1台で1万元しか利益が出ませんが、
2年目からは2万2千元の荒利があるようになります。
これを北京で既に2千台据えつけましたが、
来年のオリンピックまでに4千台にふやす作業が続いています。
これを全国的に展開すれば、
1万台で初年度1億元、次年度で2億2千万元、
次年度に2万台にふえると、2年度で3億2千万元の利益という
「とらぬ狸の皮算用」ですが、
夢のあるプロジェクトが進行中です。

以上が中国を代表する広告会社の新しい仕事です。
でも業績として数字に現われるまでには
もう少し時間がかかります。


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2007年7月27日(金)

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