中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2696回
プラスだけが人生ではありません

中国が本格的な消費経済に突入する以上、
消費と広告は切っても切れない関係にありますから、
広告が盛んになることは目に見えています。
しかし、広告のやり方と消費者の受けとり方は
国によって違いますから、
日本人が頭で考えるような方向に
中国の広告が展開されて行くとは限りません。

テレビによる広告は日本でも限界に達した感じですが、
中国が同じコースを辿ると考えるよりは、
テレビ広告不消化のまま、それを乗りこえて
インターネットや携帯電話の分野で
展開されることが考えられます。
パソコンも携帯電話も猛烈な勢いで
中国の若い人たちの間に普及しており、
最終的には人口が威力を発揮することに議論の余地はありません。
IT産業に関する限り、
アメリカの次はインドと見る向きが多いようですが、
最終的には人口が決定しますから、
中国が他の国を乗りこえて先に進むことが考えられます。

しかし、中国の広告業界のチャンピオンが
どこの誰になるかはまだ予断を許しません。
電話の広告が戸外広告を蹴とばして
あッという間に全国制覇をすることもあり得ることだし、
全く無名の人がその先駆者として
栄冠に輝くことも充分に考えられることです。
私は新しいことには一応の興味を持っていますので、
そうしたニュー・ビジネスから仲間に入るようにすすめられ、
いまなお失敗と成功をくりかえしています。
大賀伝媒との合弁もその一つですが、
お金を出した以上、全部パーになることを覚悟の上です。
今更、私が携帯電話広告の会社のオヤジになることは
先ずありませんが、
これまでも新規事業への投資を誘われて30万円投資したのが、
株の上場によって9千万円になったこともあれば、
千万円の投資で2億円になったこともあります。

そういう話をきくと羨ましいと思うかもしれませんが、
そのかげにかくれてタダの紙屑になってしまった株券が
引出し一杯になっているのを見て下さい。
要はプラス、マイナスのなかで、
全体としてプラスになっているかどうかです。
私がこうして無事生きておられるのは
全体としてマイナスになっていないおかげです。


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2007年7月28日(土)

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