中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2741回
暴落時に買う株はふだんから研究を

アメリカを震源地とした世界的な株の暴落は
一応は過ぎたようです。
アメリカの経済構造そのものに問題があるだけに、
傷口が深くなることに対して、
政府をはじめ、金融業界が異常に神経質になっていますから、
応急手当で一応は峠を越すことになるでしょう。

でもこれで問題が解決するわけではありません。
中国の貿易黒字は
恐らく今年1年で2千5百億ドルくらいにはなるでしょうし、
海外からの投資資金も含めると、
外貨準備高は4千億ドルくらい上積みになるのではないでしょうか。

ですから中国当局は外貨減らしには死物狂いで、
海外からの送金には年に1人当り5万ドルどまりとか、
逆に個人が香港株に投資するのは自由化するとか、
朝令暮改でドル減らしに懸命な努力がくりかえされております。
それでも問題が解決できずに、人民元の大洪水になり、
資産インフレどころか、物価高が
既に北京や上海の大都会で現実のものになりつつあります。
ですから中国株安を心配する環境ではありません。
8月17日の金曜日に私も皆さんと一緒になって買い出動したことは
前にもお話した通りです。

株が大暴落をすると、
自分の持っている株がパンクするのではないかという
恐怖に襲われます。
でも暴落するのは株価だけで、
会社の売上げが左前になるわけではありません。
もともと左前になっている会社の株なら別ですが、
私が成長株成長株とうるさく言っているのは
いまの環境の中で年々業績を伸ばしている企業のことです。
年に30%から50%くらい利益が伸びていれば合格ですが、
そうした体質を持っていながら、
1期か2期か、業績不調ということも当然あります。
そういう会社は暴落時に売り叩かれるので、
実力以下に値下がりします。
常茂生化とか、上海棟華とか、銘源医療などはその好例でしょう。
何やら怪しげな仕手の動きも見られますが、
どの株が下がったらすかさず買うかという研究を
ふだんからしておく必要があります。
大暴落している最中に考えても間に合いません。


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2007年9月11日(火)

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