中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2803回
テレビショップが開発した新商品

七星購物はテレビ・ショッピングの会社ですから、
日本人に分かりやすいビジネスです。
その分、まだまだこれからのビジネスだと言う意見と、
もう盛りをすぎたビジネスだという意見に分かれます。

でもテレビ・ショッピングは
中国ではまだはじまったばかりのビジネスです。
手にとってみないと物を買わない中国人が
なかなか近よらなかった業界だからです。
ですからファッション製品を通信販売で売る日本と違って、
中国では家庭用品くらいしかテレビで買う人はおりませんでしたが、
昨年、上海のテレビ・ショッピングの会社を手に入れた
香港の不動産会社が
テレビで売る全く新しい商品を開拓しました。
その第一号が携帯電話で第二号が生命保険です。
全くの新しい着想と言っていいでしょう。
トップの人たちも、自分たちにとって一番重要な仕事は、
毎週1回行う
何がよく売れる商品かという販売会議だと言っていました。

私は上海で受けつけの女性が450人集まった
同社の受注室に案内されましたが、
これと同じものが北京と福州にあるときかされました。
テレビで有名メーカーの携帯電話器を紹介し、
注文を受けるとご本人のもとに届けて
現金と引き換えるのだそうです。
平均1日2千台の注文があり、
1台1500元なので、毎日3百万元ほどの現金収入になります。
半分が利益ですから、月4千5百万元の売上げとしても
年5億4千万からの売上げになり、
その半分が利益ということになります。
話半分としても、携帯電話器のテレビ・ショッピングは
物流業界の盲点だったのです。
携帯電話はまだ次から次と新型が出現しますので、
これでおしまいということにはなりません。
但し、一流メーカーは新しい販売業者を受けつけませんので、
七星はとうとう3社の電話器販売会社を買収して
傘下に納めたそうです。

ことし上半期の業績は純利益が4千3百万香港ドルに及び、
前期比3.32倍の増益になっているにも拘らず、
株価が0.3ドル台まで大暴落したのです。
これが現実に私たちの周囲で起っていることなのです。


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2007年11月12日(月)

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