中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2815回
中国は必らず日本の二の舞をやる

人民元は切り上げの方向に向っていますが、
アメリカやその他の対中貿易赤字国が
希望しているスピードではありません。
少しずつならショックも少いし、
輸出業者も国も対策ができると思っているからです。
実際はその反対に切り上げを遅らすと
外貨の貯まった分だけ人民元が国内に溢れ、
収拾のつかないところまで災害が全国の隅々まで行き渡ります。

中国でもさすがにそういう事態になることを
憂える声が高くなって、
「広州日報」までが私のところまでとんで来たのでしょうが、
どうやら私に一番ききたかったことは
「バブルの発生によって中国も日本の二の舞をやるのでしょうか。
それを避ける方法はあるのでしょうか」
ということだったようです。

それに対する私の答えは
「必らず日本の二の舞をやります。
日本だって間違えてそうなったわけではなくて、
皆で必死になって対策を考えた結果がそうなったのですから」
というやるせないものでした。
日本も中国も長い間、ずっと貧乏をしてきたし、
その中から成金になって行く過程で考えることですから、
チャンスを犠牲にするだけのコントロールが
できないにきまっています。
日本はまだ企業家や言論界の意見が国の政策に反映されますが、
中国は官僚の権力が圧倒的に強く、
自分たちの一存で朝令暮改をしますから、
間違えた時の影響は日本よりもっと大きくなります。
したがってバブルがうまく処理できずに
人民元が1ドル4元まで切り上がる頃には
資産インフレどころか、物価もかなり上昇して、
折角、所得水準が向上した分を
ツーペーにしてしまう可能性が強いというのが私の見方です。

しかし、仮にその通りだとしても、
中国の場合は経済成長によるインフレと
バブルによるインフレが同時に発生するわけだし、
それにアメリカの不況の津波が
マイナス要因として襲いかかってきますから、
どこに重点をおくかによって
大儲けをする人と空籤をひく人に二分される可能性があります。


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2007年11月24日(土)

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