中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2873回
日本人も外国へ出稼ぎに行く時です

グローバル化がすすむということは、
国境を越えて行ったり来たりする人がふえるということです。
日本に出稼ぎに来る外国人もうんとふえますが、
日本人も昔に比べて多くの国に行けるようになったのですから、
同じことが起ってよさそうなものです。
ところが、どうしたわけか、
外国に出稼ぎに行く日本人は思ったほど多くはありません。

たとえば、上海には5万人の日本人が住んでいると言われています。
それに対して韓国人は30万人、
台湾人は50万人いるときかされました。
日本の人口が1億3千万人、韓国の人口が5千万人、
台湾が2千3百万人ですから、
人口割りで行くと日本人が如何に腰の重い国民であるかわかります。
動物というよりは
一ぺん根を下ろすと、そのまま動かなくなってしまう
植物的な国民性だということができます。

日本国内にいくらでも就職先があり、金儲けのチャンスがあれば、
もちろん、それでもさしつかえありません。
戦後の工業化は大都市を中心にすすみましたので、
人口の都市集中が国内を過密地帯と過疎地帯に二分しましたが、
それでも労働力の不足をきたしたので、
地方の労働人口を求めて過疎地帯にも工場が次々と進出しました。
この時が地方の全盛時代で、
賃上げと円高でやがて生産基地が
日本よりもっと賃金の安いアジア各地に移りはじめると、
「地方の時代」はあッという間に終わってしまったのです。

地方にいると全然仕事がないのです。
地方が駄目でも東京や大阪や名古屋に出てくれば、
まだ何とか仕事にありつけます。
でも国全体として経済成長がとまると、
昨日の残飯で何とか食える企業はまだいいのですが、
新しいビジネスのチャンスはほとんどなくなってしまいました。
それでも日本人は一ぺん、根を下ろしたところから
なかなか動こうとしません。
このまま陽が暮れてしまったらどうする積りなのでしょうか。
足のある人はよく考えて見て下さい。


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2008年1月21日(月)

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