中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2886回
欲に目の眩んだ中国株選びをするな

いまはお小遣い程度の僅かなお金でも
中国株が買えるようになったので、
とてもイージーな銘柄選びをして、
明日にも倍になって戻ってくるとばかりになだれ込んでくる人たちを
よく見かけるようになりました。
そういう人たちのおかげで、
株式市場が賑やかになって結構なことですが、
どうしてこんなお金のイロハもわからない人が多いのだろうか、
と不思議に思うことによくぶっつかるようになりました。

たとえば日本では上場企業が一般株主の見ている前で
商売替えをすることは先ずありませんが、
香港では必らずしも珍しくありません。
なかでも一番多いのは、
不動産業者が新しい商売に転進するケースですが、
転業に際して新株を発行して株主に割り当てたり、
第三者割当をしたりします。
そのこと自体かなり胡散臭いと考えなければなりませんが、
そうやって選んだ新事業が
如何に金の儲かる事業であるかをクドクドと宣伝します。
それをつい鵜呑みにする幼稚な投資家たちが
日本にはあまりにたくさんいるのではないでしょうか。

たとえば、本業をやめて
業のかたわら風力発電に進出した企業がありました。
それがどんなに採算に乗るかと真顔で説明していましたが、
もし風力発電がそんなに簡単に儲かるものなら、
莫大なお金をかけて
水力発電や原子力発電まで手がけるバカがどこにいるのでしょうか。
また不動産屋をやめて、
林業に手を出したら大へんな儲けを計上できるようになったと
ハヤシ立てる動きもありましたが、
もし木を植えて儲かるなら、
どうして日本の林野庁が
多くの投資家たちから集めたお金で莫大な損失を出して
利子分のお金さえ払えないよう目にあうのでしょうか。
シベリアに何百年かけて育った森林地帯から
材木をタダで切り出して売るという話なら別ですが、
子供だってわかりそうなヤバイ話を
欲に目の眩む人は何も見えなくなってしまっているのでしょうか。
かつて日本でやれなかったことが
中国では奇跡として起り得ると思ったとしたら
とんでもないことになってしまいます。


←前回記事へ

2008年2月3日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ