中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2892回
石油より石油掘削装置産業に注目

イラク戦争がはじまったばかりの頃、
私は1バレル20数ドルの石油が50ドルになることを予想して、
当時、連載を書いていたVOICE誌に発表したことがあります。
アメリカがフセインの腕をねじあげることは
そんなに困難なことではないので、
石油で難儀することはないだろうと誰もが思っていた頃のことです。
それに対して私は
アメリカは石油の泥沼の中に足を突っ込んだのであり、
中国の石油消費が増大するプロセスで、
石油の暴騰がはじまるだろうと
別の角度から石油の相場を予想したのです。

果してその通りのことが起りましたが、
それが更に上昇を続け、
遂に100ドルを突破するところまで登りつめるとは
さすがの私も考え及びませんでした。
欧米以外のところに経済成長の波が押し寄せ、
資源不足に火がつくことは予想できないことではありませんが、
息つくいとまもあたえず、登り坂が続くとは
いまの私でも素直に受けつける立場にいません。
たとえ100ドルの高波が押し寄せたとしても、
しばらくすれば、20%や30%は低いところに落着くのが
物の道理だと思っているからです。
石油だけでなく、
その他の産業資源についてもほぼ同じことが言えます。

しかし、資源が不要になるということではありませんので、
一旦、調整が終ったら、
そこから再び資源の本格的な開発がはじまります。
既にロシアの産油能力は
サウジアラビアを超えたと言われておりますが、
中国近海からはじまってベトナム、タイ、ミャンマーに至るまで、
更には全アフリカの地域に及ぶ
本格的な開発の時代に入ると考えてよいでしょう。
ですから石油、天然ガスの開発からはじまって、
有色金属からレア・メタルに至るまで、
資源産業は今後もおろそかにはできない分野です。
石油そのものはもとよりですが、
石油を掘り出すための装置産業が新しい、
有望な成長産業として高収益をもたらすことが考えられます。
さしあたりは石油天然ガス掘削のための
装置産業が中心になるのでしょうが。


←前回記事へ

2008年2月9日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ