中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2898回
株式投資は日本人の方が先輩です

いま中国では株をやる人が大へんな勢いで伸びています。
もともと中国人は賭け事は嫌いな方じゃないし、
田舎の商店街を覗いてもわかるように、
ヒマさえあれば、道路で麻雀かトランプに打ち興じています。
ましてや財産の売買を政府公認でやっているのが株だとなれば、
お咎めのある心配はないし、
何日でいくら儲かったなんて話をきくと、
我も我もと証券会社に押しかけるにきまっています。

遂には月曜から金曜までの株式取引のある日は1日に1時間、
株をやる時間を設けないと、
従業員がそわそわして工場の中もうまく動いて行かないというので、
株をやる時間を日程に組みこんだ会社もあります。
しかし、実際にやっているのを見ると、
証券に対する知識など皆無で、
人にきいた話や新聞のニュースを頼りに
売ったり買ったりする人が大半ですから、
政府が規制したり、昨今のようにサブプライム・ローンの影響で
株がジェット・コースターのような動きをすると、
たちまちシューンとして音なしという動きも起っています。

しかし、しばらくたって株をやることに慣れ、
それ相当の知識を持った人がふえれば、
中国にも、もちろん、大衆投資家の時代がやってきます。
そして、先進資本主義国がそうであるように、
株は多くの人たちの財産の一部
あるいは重要な部分を形成するようになることも
恐らくは間違いないでしょう。
ただそこまで到達するためには、
それなりの経験を積む必要もあるし、
それ相応の時間もかかります。

いまのところ、
中国のA株を私たち外国の投資家たちは手を出せませんし、
中国の新入りたちも
私たちが買っているB株や香港株に手を出せません。
したがってどちらがどちらにどう影響するかははっきりしませんが、
ちょうど外人投資家が
日本の個人投資家の株の買い方に影響したように、
やがて中国株の買い方にも、
日本人の株の買い方が影響する時代が来ると考えていいでしょう。
なぜならば株式投資に関する限り、
日本人の方がずっと先輩だからです。


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2008年2月15日(金)

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