中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2901回
大型株、小型株の区別はしません

私が株の銘柄選びをする時は、
この株はいつ頃になったら、よく上がりそうな株か、
この株は当分、その中には入りそうにない株かと、
2つに分けて考えます。
ところが、世の中には
この株は大型株、この株は小型株という分け方をする人もいます。
Qさんは小型株ばかり選びたがるが、次は大型株の時代だから、
うまく波に乗れないだろうと言って私を酷評します。

たとえば、私は邱友会の席上で、
銀行に大量にお金が集結する時代になりましたが、
銀行株は向う1、2年、
敬遠した方がよさそうですねと意見を述べることがあります。
自分の言ったことはすぐに実行する方ですから、
持っていた中国銀行、交通銀行、工商銀行などの株を
全部売ってしまいます。
どうしてかというと、
銀行は次々と大型増資をして莫大な資本になっていますが、
利益がそれをカバーできるほどは伸びないので、
只でさえ悪い利回りが更に悪化すると考えたからです。

その時はまだ
サブプライム・ローンによる躓きが発生していませんでしたが、
中国では過剰流動性の発生を抑えるために、
不動産業者への貸付けを抑えにかかったり、
住宅ローンへの融資や預貸率にも歯止めをかけはじめました。
これでは株価が
ジェット・コースターに乗ったような動きになることは
避けられなくなります。
ところが、その後、サブプライム・ローンの破綻が表面化すると、
中国銀行もやられているのではないか
という情報までとび出してきて、
香港株が大暴落に見舞われる一幕もありました。
中国銀行は事実無根だと否定しましたが、
金融界が資金不足に見舞われると、
香港株にも大量売りが起りますから、
銀行株も売り叩かれます。
生命保険会社でさえ財産の大半が株であり、株が大暴落しますから、
株価を高値に維持することができなくなります。
でもそれで駄目になるわけではなくて、
同じ株が安値になったところを買えば
いずれ恢復することは目に見えていますから、
大型株だからいいとか悪いとか言うことはありません。
大型株であるかどうかに拘らず、
株にはいい時もあれば悪い時もあるのです。


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2008年2月18日(月)

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