中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2902回
品質で勝負する時代の銘柄選びが必要に

過剰流動性の増大によって物価は上がり気味ですが、
そこへ石油の値上がりと食品の値上がりが重なって
外国から押し寄せてきたので、
政府としても物価を抑え込む手を打つよりほかありません。
その点、共産主義の体制がそのまま残っていますから、
エネルギーから資源や素材まで
命令一本で抑え込むことになってしまいました。
こうなると、電力や石油や石炭でも、
コストが高くなっても供給価格は抑え込まれたままで、
高収益を享受することができなくなります。

そこへアメリカの不況が表面化すれば、
鉄や石油製品の対米輸出だっていいことはありません。
食品にストップがかからないのは、
ストップをかけると、食品はたちまち姿を消してしまうからです。
ですからトウモロコシや小麦の値上がりにはじまって
それを飼料とした豚肉が上昇することは
誰一人抑え込むことができません。
しかし、中国の輸出が減少して貿易黒字が減ると言うと、
不景気になればなるほど安い物が売れる傾向がありますから、
中国の対米黒字は昨年に比べても
10%ていど上昇することが見込まれています。
業種によって赤字化する企業もある代わりに、
輸出も国内消費も減る方向にないので、
あまり落ち込みが考えられないのです。

そこで起ることは量産の拡大よりは高級化嗜好ですから、
中国製品が一段と日本製品に追いつき、
価格だけでなく品質で競争力をつけることになります。
どこの国から進出した企業であるかに拘わりなく、
メイド・イン・チャイナが
世界的レベルで競争力をつけて行くことになると言うことです。
たとえば、中国製の自動車やコンピュータが
アメリカやヨーロッパから日本、インドなどの各地で
市場を拡げて行くことが考えられます。
そうした新しいセールスポイントが考えられるので、
資源株を中心とした従来の既成概念で株価を判断すると、
かなりの食い違いが生ずる怖れがあります。
メイド・イン・チャイナも
品質で勝負する段階に入ってきたのです。


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2008年2月19日(火)

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