中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2903回
頭の中が一番忙しくなる時期です

いまはサブプライム・ローンに端を発した世界的な金融不安と
人民元切り上げがもたらす貿易収支の不透明さが
中国株の投資家たちを混乱におとし入れています。
そこへ更に物価高の波が押し寄せるとなると、
株価はもう戻らないのではないかと
超恐怖症におちいる人もおります。
昭和39年、日本でも山陽特殊鋼が潰れたり、
潰れそうになった山一証券に日銀特融が行われた時、
私にとってはじめて経験した大ピンチだったので、
もうこれで日本は駄目になるんじゃないかと
大へんなショックを受けました。

すっかりおじ気づいた私は
株で儲けたお金ではじめて建てたビルにある
自分のオフィスまで畳んで自分の家に引きこもり、
不景気な時は歌謡曲が一番流行るという
古人の言い伝えを鵜呑みにして、歌謡曲の作詞に専念して、
橋幸夫の「恋のインターチェンジ」や
三沢あけみの「南国の花」の作詞に打ち込んだ経験があります。
しかし、あとになって考えてみると、
どんな大きな荒波であろうと、成長期の潮流は一波超えると、
もっと大きな波が
もっと大量の魚群をのせて押し寄せてくるものなのです。
ですから、魚のとれない時は
もうこれでおしまいだなどと考えないで、
この次に乗ってくる魚群がどちらからやって来るのか、
またどんな魚が押し寄せてくるのか、
それに備えて作戦を練ればいいのです。

「お気楽なものですね」と嗤われてしまうかも知れませんが、
これだけ値下がりしても、
私の手元に残っている株で元値を割っているものは
ごく最近に手がけた新しい銘柄が二つ、三つあるだけで、
昔から持っている株はいまの値段でも
元値の何倍にもなっています。
ですから株が大暴落したという実感はほとんどありません。
どうしてかというと、いつも言うことですが、
成長する株を買っても相場を買っていないからです。
どの時点からはじまっても、もっと大きくなり、
もっとお金を儲けてくれる株はどれかというのを探して
その株を買えばいいのです。
株が下がった時でも、そんな中にあって、
次に成長する株は必らずあるものなのです。
そういう意味ではいま頭の中が一番忙しくなる時期になります。


←前回記事へ

2008年2月20日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ